んっ・・・・?
「優・・・?」
「なんでいるの?はっ!?どうなってんのよ?」戸惑う私に優は何事もなかったようにこう言った。
「俺もいつも明るくて盛り上げ役でムードメーカーの由依が好きだ。」と真剣な顔をして言った。
「あたしゃ今そんな場合じゃないんだよ。もうすぐ星弥が来るだろうし・・・マジで告られても困るんだけど・・・・」混乱する由依。
「ん?待てよぉ・・・俺も・・・・・?俺も・・・・?」
「も・・・・・」
「も」って何だよ、「も」って・・・・・?
そう、星弥の机に入れたはずのチョコが誰かのいたずらで優の机へと入れ替わってしまっていたのだ。
「えぇっ?こんなはずじゃ・・・・」と唖然とする由依。
翌日・・・・
「おはよぉ・・・・・」珍しくすごく暗い挨拶だ。
「由依?どうしたのよぉ!疲れてるっぽいけど大丈夫?」と藍子はいつもと違う様子の由依を心配そうに見つめている。
「実はね・・・誰かのいたずらで星弥にあげるはずのチョコが入れ替わっててさぁ・・・・優と付き合う事になった。」
「えぇ!!!!!!!」藍子は思わず声を上げた。
「・・・・・」沈黙が続く。
しばらくたって沈黙を切り裂くように藍子が話し始めた。
「でもさ!ほら、由依は出会い多いし、大丈夫だって!」と精一杯の笑顔で励ました。
しばらく暗かった由依もだが、持ち前の性格から「そうだよねっ!このモテモテのあたしだもん☆平気、平気♪それに星弥は憧れっていうかさぁ〜。まぁ付き合えたらいいなぁ〜くらいだし!」と自分を励ますように言った。
こうして優と由依は付き合う事になった。
初めてのデート
あまり気乗りしなかった私だったけど、優はものすごく張り切っていた。
学校では先生に反抗するし、友達にはからかうし・・・と優しいなんて言葉はお世辞でも言えない優だけど今日は何故か優しい。
初デートの場所は海
「こんな季節に海とかありえないしね・・・」と頬を膨らませた私を見て、「バカだなぁ〜お前は!何も分かってないんだから!冬だから海なんだよ♪オレは海を愛してるぜ!由依の事の方が愛してるけどね。なんてっ!」と照れくさそうに言った。
優が近くにある販売機で買ってきてくれたオレンジジュースを飲みながら、駅から近くのバス停まで歩いた。
そしてバスに揺られること40分・・・海へ着いた。
当たり前だがこんな季節に誰もいない。
しかしエメラルドグリーンでどこまでも続いている広い広い海は私達を歓迎してくれた。
時は流れ半年後・・・
ミーン、ミンミンミン〜
外では蝉がうるさいほど鳴いている。
「おはよぉ〜藍ちゃん!」
「おはよぉ〜☆」
「昨日もデートしたんだって?うらやましいなぁ〜☆」
「まぁねっ♪外も暑いけどうちらも篤いよ!」と相変わらずお調子者の由依。
「失礼かもしれないけどさぁ〜今回はいい感じじゃない?」とつい本音をはく藍子。
「今回はって何だよぉ〜!」
「あっごめんごめん。」
急なハプニング、思わぬ展開、片思いからの恋、とあらゆる壁を乗り越え由依は優を本当に愛していった。