星弥はというと・・・相変わらずカッコ良く後輩が後をつけて歩いている。
帰り道に「由依はさぁ〜もう星弥の事いいの?」と聞きずらそうに少し小さめの声で藍子が聞くと、「うん、今はもう優一筋だよ!星弥なんてあんなたらしいいよぉ〜。」とさすが切り替えが早い由依。
藍は「おいおい」と思いながらも安心して由依の幸せを願った。
 
その週の土曜
今日も優とデートの約束をしている。
場所はもちろん海。
2人は海が大好きだ。
もう夏だから海水浴もできるし、砂浜で遊んだり、海に向かって大声で叫び、共に愚痴ったり・・・とにかく海は2人のベストスポットだ。
私も不思議と海が大好きになった。
「海にいると落ち着く・・・
全てを受け入れてくれるような気がしたから・・・」
悩み事がある時、優と喧嘩した時は一人でも海へ出かけた。
「海が全部聞いてくれるような気がしたから・・・
波と一緒に悲しみも怒りも辛さも嫌な物全部流してくれるから・・・」
「あ〜楽しかった♪やっぱ優といると時間経つの早いよ!」と満面の笑みを浮かべながら優に話しかける。
「俺も超〜楽しかった♪結婚してお金貯まったら海の近くに別荘作ろうぜ!」と目を輝かせながら小麦色に焼けた肌を見せながら優は言った。
「いいね!それ♪」
 
私はやっと本当の愛が分かったような気がする。
本当に優が愛しい・・・
優のためなら自分が傷ついてもいいよ。
 
夕日で染まった由依の髪をなでながら優は言った「今日はもう遅いし、そろそろ暗くなるからまた来よう!俺、家まで送ってくから。」と優は優しく言った。
すると由依は涙を浮かべながら「絶対また来れるよね?あたし・・・こんなに楽しくて幸せだと何か怖いよ。」と優を見つめながら言った。
「何言ってるんだよ〜。俺だってこんなに幸せだよ!それに由依の事は死んでも好きだから安心しろよ!」と男らしいセリフをはいた。
そして夕日に染まる海をバックに2人は静かに口ずけた。
 
そして夏休みが始まった。
「今日も優と海にいるんだ!」とワクワクしながらメールを打ち、藍子に優との仲をアピールする。
優とはいつものように今日も海で一緒。
楽しくて楽しくて会話が絶えない。
「相変わらず日が暮れるのが早いなぁ!」と優が口ずさむ。
「楽しいからだね!」と顔を見合わせる2人。
優は私にとっていなくてはならない存在で、優がいない生活なんてもう考えられなくなっていた。
1日でもメールしなかったら寂しくて寝れないんだからね・・・
そしてその日の帰り道、運命を大きく左右する出来事が起ころうとは思いもしない2人だった。

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