マーガレット
音を持たなくなった音
いつも片隅に君を映し出してしまう瞳
「ただ君が幸せならそれでいい。」
ここまで辿り着くのは本当に本当に大変だった。
ポケットに入りきらなくなったもの、余計なものまで詰め込んで、
どうやら大切なものもずいぶん落として来たみたいだけど、残った
ものはたくさんの愛だった。
幸せと感じられるのも、孤独と感じてしまうのも、君がいたから、みんな
がいるから。
幸せだってお腹いっぱいになってる今、こうして綴っておけば、現実味
がない未来も受け入れられる気がするよ。
夕焼けの空の下、足跡すらないグラウンドに、キャッチボールで捕り損ねた球が転がって綺麗な線を描いてく・・・
必死になってそれを追いかけている、夕日に染まりオレンジがかった髪した少女
僕はその光景を屋上からそっと見ていた。
写真じゃなくて、僕の目に記憶にくっきりとやきついたんだ。
君を映すことしか出来なくなった瞳とさよならなんだ
「ありがとう」
僕は進んでく