渡っていただろうか
いつもの歩道橋
無意識に足が止まった先は
いつの間にか着いていたうちの前
ポケットの中に入ったウォークマン
音楽聞くのも忘れてたんだ…。
夜が街を、人を、覆っていた
赤とか黄色とかいろんな色がぼんやりと丸を作りながら僕の視界を埋めていた
その中に君の横顔がちらり…
沈黙の中で君は何を考えていただろう?
僕から手を繋ぎたいと思わなかったのは
君の方からいつも差し出してくれていたから
あの時だってきっとそう
誰もいない夜の海岸
波の音さえ掻き消した
僕が安心したのは君がいつも寄り添ってくれていたから
さよならの後の言葉はないのと同じ
さよならの後の気持ちは届かないのと同じ
だったらいっそ
想いごと消えてしまえばいいと思った
今さら言えない言葉がまた増えたんだね
好きだと言えたあの時もあんなに愛してたのに…
言えなくなった今の方がそれはずっと大きくなってる気がするよ