プ リ ン

小さくて狭い部屋 

手が届きそうな所に海が見える窓がある

一人になったら急に寂しくて、日頃の自分が情けなくて バカみたいに泣けてくる

本当の一人になったことなんてなかったから 声を出して泣くことしてこなかった

化粧と時計を気にしながら、枕にタオルをひいて 私は自分に泣いた

君が帰ってくる時間

何もなかったかのように寝たふりをしよう

君は「ただいま。」と、ちょっと微笑んだかのように入ってきた

私は眠そうな仕草で「おかえり。」と返す

袋の中からふたつのプリン

私にひとつ手渡すと、「一緒に食べよう。」とスプーンを出した

君にはいつもかなわない

こんなにもあたたかな幸せが君に届くように、私がずっと思っているから